さきに言っておきたいんですが、私は旧
エニックス時代のガンガン、
PON!とキマイラから浅野先生ファンです。もう大好きなんですよどれも。全部好き。であいもんで初めてサイン会行って感極まりすぎて泣いた。
であいもんは1巻からずっと読んでます。仕事終わって疲れているところに読むとめちゃめちゃ染み入るし、優しすぎてドボドボに泣いてしまうので家で読むのがおすすめです。
「であいもん」とは
京都にある和菓子屋緑松(りょくしょう)。緑松の一人息子で10年ぶりに帰郷した納野和(なごむ)と、緑松に預けられている少女雪平一果(いつか)の交流を描いたハートウォーミングストーリーです。
一果の父親代わりを命じられ、なんとか交流しようとする和と、徐々に打ち解けて行く一果はもちろん、緑松で働く人々や和の元カノなど、いろんな人の縁を、京都という土地と季節、和菓子を通じて描いています。
軽快な掛け合いが魅力
京都で人情もので不器用な家族もの、となるとなんとなくしんみりしてそうなイメージですが、ぜんぜんそんなことない。
キャラクターの掛け合いが本当にテンポが良く、一つひとつのセリフがまあ洗練されてておもしろい!!
セリフのテンポが本当に気持ちいい。
関西弁ってなんとなく節がついてるというか……ぽんぽんと単語を並べて会話していくところがあるんですよ。多分。
私は京都ではないんですが、その関西っぽいテンポ感でサクサク気持ちよく読めてしまう。
漫画を読むときも声に出すように、頭の中でセリフを読み上げてるんですが、それがスパッと気持ちよく決まるというか……
また、浅野先生は関西弁を文字にするのが本当にすごい。ちょっとした省略とか、そういうのが関西人
からしても全く違和感がなく。どうやったらあんな軽快なセリフが生まれるのか不思議。
キャラクターが魅力
御菓子への思い入れが強すぎて、商品を手渡すときに泣き出してしまう和はじめ、出てくるキャラクターが温かくて個性的。初めて和が泣き出したシーンはちょっと笑ってしまいました。いい人なんだけどなあ!!
とはいえ、みんないい人すぎる、というわけでもなく、家族思いゆえ自分のやりたいことを言い出せなかった高校生の美鶴ちゃん、行き場のないストレスを別の手段で発散する咲季くん、きついけれど娘思いな一果の母親など、「どこかにいそう」な人間味がある人物が多い。
人との関わり方も、押せ押せじゃなく一歩引いてみたり、なんというか、心地の良い距離感というか……素直に応援したくなるキャラクターがめちゃくちゃいい。
話も、劇的な事件とかはなく、でもちょっと特別な日があったり日常だったり、ある場所のある時間を切り取ったお話が多い。だからか、似たようなこと私もあったなと思ってしんみりしたり、逆に一果ちゃんの笑顔が増えていくのを見てると素直に良かったなーって思えたり。
それにしても浅野先生の漫画はどれも人と人とのつながり描写が超いいな……緩やかなつながりといえばいいのか、劇的ではないけれど、その人同士でないと出せないような空気感がある。めちゃくちゃ好き。
和菓子の出番がいい
ところどころ物語の筋に和菓子が絡んでくるんですが、おいしそうな御菓子ばかりで最高。これ読んだあと、仕事帰りに買っていったりしました。おいしかったです。
和菓子は季節によっていろんな種類があるし、話の中でもその時々にいろんな御菓子が出てくる。
私なんかは季節を表す和菓子というと練りきりなどの生菓子を思い浮かべがちなんですが、若鮎やおはぎ、わらび餅とか、そういうお菓子もたくさん出てきます。生菓子もすごくきれいだったり可愛かったり。
いいな一果ちゃん…こんなん毎日見られて……
御菓子の出番はそう多くないんですけど、どれもそのお話の芯に寄り添ってるのがであいもんのいいところだなあって読むたびに思う。最高……
であいもん、笑えてちょっとしんみりもできて、でも読み終わったあとにはおもしろかった!って手放しに思える。
次の5巻は8月発売だそうです!!あと次に来る
マンガ大賞のコミックス部門にもノミネート中!!私はこの漫画がん押ししますから。
書いてたら和菓子食べたくなった。ちょっと明日和菓子買って帰ります。